セール&リースバックの家賃設定について
セール&リースバックの家賃はどうやって決まる?

数年前から、自宅を売却しても住み続ける事ができる「セール&リースバック」が一般的になっています。
セール&リースバックを検討する時に重要になるのが売却後の家賃だと思います。
それでは家賃がどのように設定されるのか説明していきましょう。
買主はセール&リースバックは投資目的で物件購入
セール&リースバックは不動産投資です。
不動産業者や個人投資家は収益目的で不動産を買い取って賃貸物件として貸し出します。最近、大手の不動産会社がセール&リースバックに積極的になっていますが購入目的は同様です。
収益性の無い物件に関しては、例え安く価格設定だとしても購入する事はありません。又、家賃未回収のリスクが高いと判断すると購入を見合わせます。
それでは、収益性の無い物件や家賃未回収のリスクが高いと判断するのはどのような場合でしょう?
【利回り】
セール&リースバックを検討する時の購入の判断基準に利回りが重要視されます。
利回りとは、投資金額に対する利子も含めた年単位の収益の割合ので計算は下記となります。
(年間家賃 ÷ 物件価格) × 100 = 利回り
(年間家賃 120万円 ÷ 物件価格 3,000万円) × 100 = 利回り 4%
それでは利回りが何%だと収益性があり投資家が物件購入してセール&リースバックを検討するのでしょうか。
地域によりますが、新築の物件であれば5~7%といわれています。
セール&リースバックの場合は中古の物件ですので、上記の利回り以上が基準になりますので6~10%位になります。
物件価格 1,500万円 × 利回り(表面) 8% = 年間家賃 120万円 月の家賃 10万円
セール&リースバックを利用する購入者は金融機関から融資を受けて投資するケースもあり、物件の築年数(20年以上)によっては金融機関の融資が受けづらい場合もあります。又、築年数が経過している物件は売却する場合に売却価格が下がるので利回りを高く設定される事が多くあります。
【家賃未回収のリスク】
不動産投資には家賃の未回収というリスクは必ずあります。その為、オーナー側としては家賃保証会社との保証契約や連帯保証人がセール&リースバックの条件として提示するケースが大半です。
家賃設定を低くするには?
家賃設定を低くする方法は2通りあります。
【利回りを低く設定する買主を探す】
家賃を低くするには利回りを低く設定する投資家を探す事です。しかし、利回りを低く設定するにも限界があります。A社が利回り8%と提示した物件に対してB社が利回り5%という可能性は低く7%にできるのが限度です。
物件価格 1,500万円 × 利回り(表面) 8% = 年間家賃 120万円 月の家賃 10万円
物件価格 1,500万円 × 利回り(表面) 7% = 年間家賃 105万円 月の家賃 約8.7万円
【売却価格を下げる】
売却価格を下げることによって仮に利回り8%だとしたら、どの位の家賃の差額が生じるのでしょうか。
物件価格 1,500万円 × 利回り(表面) 8% = 年間家賃 120万円 月の家賃 10万円
物件価格 1,300万円 × 利回り(表面) 8% = 年間家賃 104万円 月の家賃 約8.6万円
売却価格を下げる事を選択するには、アンダーローン(住宅ローン残高が売却価格よりも低い)の状態か不動産自体に抵当権が設定されていなければ現実的ではありませんので注意をしましょう。
まとめ
先ずは、住宅ローン払えない=任意売却=セール&リースバックという認識は改めなければいけません。
元々、セール&リースバックは任意売却を利用して住み続けるというスキームではありません。
可能性があるというだけで、本来は自宅を売却する事によって住宅ローン等の借入れ完済できて尚且つ住み続けたい場合に新しい所有者との話合いで条件が纏まったら賃貸借契約を締結して家賃を払いながら住み続けるという仕組みです。
当センターのご相談者の中には、住宅ローン返済が困難であっても月々の住宅ローンの返済額よりもセール&リースバックの家賃が高くてもいいから「住み続けたい」という方もいらっしゃいます。このような場合は、トラブルが起きる事は確実ですのでセール&リースバックは当センターとしてはお断りします。
そのなかで任意売却を利用するか否かというものであって、住宅ローンの返済が出来なくなった場合の救済措置ではありませのでセール&リースバックを利用する際は注意しましょう。

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